思い出の旅

大学3年の頃だったか、お正月に山口に帰るのに友人と鈍行で九州まで行った。
 当時は、東京10時40分発の列車が2階建て列車で人気があり、これに乗っていった。熱海まで混雑していた。熱海から猛ダッシュでカボチャ色の列車に乗り、ボックスシートをゲット。そのまま、浜松まで。海を眺めたり、ミカン畑を眺めたり、列車が常に混雑していたのが印象に残っている。浜松で、快適な転換クロスシート車両に乗り換え。座席に身を埋めていた友人が車掌に注意されていた。当時は、大垣で乗り換える必要なく、そのまま米原へ。快適列車で、友人とのおしゃべりも進んだ。米原から京都までは新快速に。これまた快適な列車であった。京都では、次に乗るふるさとライナー九州の自由席に並んで待った。
 発車まで2時間あるので、駅ビルの中で地酒詰め合わせセット8本入りを購入し、列車の入線とともに飲み始めたものだ。向かい合わせのボックスシート車だったが、二人で1ボックスくらいの割り当てで空いていた(自由席は)。300mlの瓶が次々に窓枠に並んで、二人ともつぶれてしまった。朝起きると、すでにまもなく博多であった。博多で友人と別れ、筑豊本線軽油の列車で小倉に戻り、小倉から関門トンネルを渡って下関へ。下関からが地獄であった。寒いのに4つドアのロングシート車。いちいちドアが開いて、とても寒い。トイレすらない。すっかり体調が狂って、徳山でボックスシートの列車に乗り換えたときにはがたがた震えていた。実家に帰ると、寝込んでしまった。インフルエンザであった。